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How do you motivate your employees?

2023.01.04

新年にあたり、職員の皆さまはどのような目標を立てられますでしょうか。

院の経営者、責任者、人事の皆さまは、職員がモチベーション高く働いてくれることを望んでいることと思います。

「ジョブ型雇用の時代。スキルがある人にモチベーションをもって働いてほしいから、成果報酬人事評価を取り入れようと思って。理想的行動を明示することで、こちらの求める働きぶりも理解してもらえるし」

「今年はAさんを昇進させるから、責任をもって院のために働いてくれるはず」

「職員同士厳しいことは言い合わず、みな仲良く働いてるから、仕事へのモチベーションも高いだろう」

 

残念ながら、どれも思うように職員のモチベーションを上げることは難しいのです。

心理学者ハーズバーグが「Herzberg’s theory of motivation」(二要因理論)という論文で、仕事においてどのようなことが満足する要因となり、逆に不満足となる要因であるのかを明確にしています。人事労務管理に必要な要素を「動機付け要因」と「衛生要因」の2種類に分けて考えるべきとする理論です。

 

1. 動機付け要因=生産性に直接かかわる要因

例:やりがい、達成、承認、仕事そのもの、昇進

「ないからといってすぐに不満が出るものではない」ものの「あればあるほど仕事に前向きになる」

2. 衛生要因=不満足要因

例:給与、福利厚生、管理体制、人間関係

「整備されていないと職員が不満を感じる」ものの「整備していても満足につながるわけでない」

 

仕事における「満足」と「不満足」につながる要因はそれぞれ全く別であり、分けて考える必要があります。

職員の職務満足度を上げるためには、動機付け要因と衛生要因のどちらか一方だけ満たせばよいわけではなく、衛生要因における問題(給与や福利厚生、人間関係など)を解決したうえで動機付け要因(承認、仕事そのもの、昇進など)を満たす必要があるのです。成果報酬型の人事評価を取り入れるだけでモチベーションが上がったり、理想的な仕事をするようにはなりません。給料に不満がある状態で成果を褒められても「評価はいいから給料上げてほしい」と思う方は多いと思います。良い人間関係があっても仕事そのものにやりがいを感じなければ満足しません。また、やりがいや将来性を感じられない仕事では、待遇に不満がなくても「この仕事を続けていていいのだろうか」という不安感やモチベーションの低下から、離職や転職につながるケースが多くあります。

近年、労働人口減少による売り手市場で人材確保が難しくなり、人手不足が問題となっています。医療業界でも採用に苦労したり、離職率の高さに苦慮している経営者・人事担当者の声を多く耳にします。より良い職場を求めて転職を繰り返す方が多くいらっしゃることも医療業界の特徴であると感じます。人材確保だけでなく、既存人材の離職防止や生産性向上が重要な課題。ハーズバーグの理論をもとに、職員のモチベーションマネジメント、人事労務管理を整理してみてはいかがでしょうか。

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